【デジタル処理での過渡特性2】
~リカバリ・タイム(RT)は~
RTはKPを超す大きな入力が無くなった以後、徐々に回復し元の利得の±2dBになるまでの時間を云います。このRT内では元の利得より小さく、大きさが制限されています。 またRTにはショート(S-RT)とロング(L-RT)があります。S-RTはおよそ100mS、L-RTは2000mSに達しています。
~AT/RTの測定法~
ANSI・IEC規格では 周波数:2KHz 55dBから80dB入力を切り替えて、 ±2dBに安定するまでの時間と規定しています。測定開始からの音は 80dB(2S)→55dB (2S)→80dB(100mS)→55dB(2S)→80dB(2S)→55dB(2S)の順に進み、約10Sの時間をかけています。 80dB(100mS)でS-RTを求めています。測定装置は80dBの他 75・85・90dB を選択でき、弊社では55dBと音暑さが30dBとなるよう85dBを採用しています。
~KPの下限は~
測定規格で55dBと80dBを決めている理由は何だろう?特に小音圧の55dBの理由は。 理由の1として測定装置の最小音圧は50dBから安全を見て55dBとした?その2として会話レベルを55dBとした?私見ではその2、の会話レベルと考えたい。 弊社の指示値は65dBです。そしてこの数値はKPとの関連を示唆しているようです。あるメーカーではこの55dBをKPとし、調整できない固定レベルとしています。理由は明らかにされないが。これらのことからKPの下限は55dBと考えられる。 よってKPの下限は55~65dBが適していると考えます。
55dB未満では音場測定が困難 KPが55dB未満に設定されている場合、しっかりした防音検査室以外、音場閾値測定するのは難しい。 暗騒音が55dB以上あれば圧縮がかかり利得が減少しています。かなり静かと感じても 低音の騒音レベルは大きく、AGCiは作動してしまう。この結果装用閾値は間違った大きな数値となってします。リニア補聴器では生じなかった現象です。
装用閾値は周波数特性の利得値とインサートイヤホンの閾値から求めるノンリニア補聴器ではKP以上の音圧で利得は変化し続けています。これでは装用者への言葉もレベル変動し、分かりにくい事になります。少なくとも会話レベルでは利得が変動しない事が必要です。弊社ではKPは65dBとし、少し大きめの声までリニアに聴取できるよう設定しております。会話レベルまではリニアを保持し、これを超える入力では不快に達しないようAGCi:コンプレッションをかけます。そして入力音圧65dBでの出力レスポンスからの利得を知り、インサートイヤホンで求められた閾値から減算した値が装用閾値として図示しています。
デジタル補聴器では、パソコン表示の特性の他に様々な機能を備えています。これらは装用者に思わぬ影響を与えています。メーカーはこれらの情報をしっかり、分かりやすく公開してほしいものです。
~耳よりNEWS No.14より~
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